コラム

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「午」vol.5 天馬のごとくのびやかに

2014.1.31  干支コラム 

 午年生まれの人は、せっかちで怒りっぽいところがありますが、根っから陽気な性格で、頭の回転が速い人が多いのが特徴です。独立心に富み、失敗してもくよくよ思い悩むことなく心機一転できることから、地道に努力すれば予想もしなかったような成功が得られるといわれます。
 明治3年、ロシア革命の指導者レーニン。明治15年、アメリカ合衆国第32代大統領ルーズベルト。わが国では、明治27年に松下幸之助、明治39年に本田宗一郎、大正7年に田中角栄、昭和17年に小泉純一郎など。午年生まれは、各世代に歴史に名を残す政財界の大物が顔を揃えています。
 史実をひもとけば、大化の改新、本能寺の変、赤穂浪士の討ち入り、日露戦争など。午の年には歴史を動かす出来事が頻繁に起きています。そもそも「午」という字は、杵の形を描いた象形文字で物事が「交差する」という意味があります。また午は「さからう」の意味を持ち、午の上の「」は地表を表し、下の横棒は陽気、縦棒は陰気が下から突き上げて地表に出ようとするさまを表します。そこから、相反する二つの勢力の間に衝突が起こり、運命が一変する可能性をはらんだ年と考えられるのです。
 「天馬空行」という故事があります。大空を自由に駆けまわる天馬にたとえて、ものの考え方や行動がのびやかで勢いがあることを指します。時代が大きく動く午年ならばこそ、恐れずひるまず「天馬空を行く」の気概を持って、日に千里を走る駿馬のように、新しいこの一年を力強く駆けめぐりたいものです。
(vol.1~vol.5文/坂上雅子)