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「申」vol.4 申年の運勢やいかに

2016.1.19  干支コラム 

 申年の人は、利発な素質を持ち、発想が豊かで進取の精神に富むとされます。そのため、若くして世に認められる人が多いとか。
 25歳で『若菜集』を刊行し、詩人として名声を博した島崎藤村。『たけくらべ』『にごりえ』などの名作を残し、24歳で夭折した樋口一葉。現在もその作品が多くの人々に読み継がれている太宰治や宮沢賢治、一橋大学在学中に『太陽の季節』で芥川賞を受賞した石原慎太郎など。申年生まれには著名な作家が多いのが特徴です。
 東京・兜町の格言にいわく、「辰・巳天井、午尻下がり、未辛抱」。そして「申・酉騒ぐ」と続きます。その格言通りに、戦後の歴史を見ると、申年は経済の浮き沈みが大きい年といえるでしょう。1956年(昭和31)は神武景気が本格化、経済白書に「もはや戦後ではない」と記されました。1968年(昭和43)はイザナギ景気に沸き、テレビCMの「大きいことはいいことだ」という言葉が流行しました。しかし、1992年(平成4)は一転して平成バブル不況。「複合不況」や「資産デフレ」という言葉が流行語となりました。
 猿は、「悪いものが去る」に通じることから、古来よりたいへん縁起の良い動物とされています。その猿の力にあやかり、2016年(平成28)は長引くデフレ不況が去り、善男善女が明るい希望を持って元気にくらせる年となるよう祈りたいものです。